ロイヤルエンフィールドの試乗会がディーラーと輸入代理店の共催で、さいたま市の教習所において催されるということで、SUZUKI/RUDGE TEMPTERに乗って行ってみた。
現地には11時前後に到着したが、2Fが駐車場になっているその教習所は入り口が判りづらく、結局教習所の回りを1周してしまった。何とか中に入り(上がり)、バイクを留めて回りを観ると、結構バイクが来ていたが、旧型車を始めロイヤルエンフィールドは1~2台ほどしか無かった。ま、普段乗っているならわざわざ試乗することも無い訳だが・・・。その後、駐車場から下に下りてコースを横切り、試乗受付と思しきブースに行って簡単な手続きを済ませた。
自分が選んだ試乗車の排気量は350cc。手元にあるのがBULLET 350なので、どんな風に進化したのか知りたかった訳だ。試乗車は8台用意されていたらしいが、350ccは2台の様で、あとは500cc車だった。
教習所内の外周コースを先導者(車)の後ろから並んで走るその試乗会は、なかなかハイスピードの様に思われ、直線での加速・コーナリング・ブレーキングもチェック出来そうだった。
展示してある「新しい」ロイヤル・エンフィールドのバイクを眺めたり、写真を撮ったりしながら試乗の順番が来るのを待っていたが、そのうち昼の時間となり、一旦終了とのアナウンスがあった。
昼の時間は、教習所内の各コースを使うんだかどうだかのライディング講習会的なイベントを行うらしく、試乗車でも自車でもOKとの事だった。
講習会は恐らく教習所教官の方のご指導かなんかだろうから、多分いい経験になるだろうが、自分としては全く興味が無いし、一時間近くも試乗を待ってるのもバカらしく、またグッズ販売(予定)と事前にアナウンスはあったものの、それらしきブースや物も(自分が居た時間内には)特に見当たらず、まぁそれならばと、スタッフの方が作っていた美味しい焼きそばと、飲み物を頂き、それを飲み食いした後でそそくさと会場を後にした。
試乗はしなかったが、肝心の「新しい」エンフィールドは、展示車両を見たり、試乗の様子を見たりした限りでは、「やっぱりこんなもんだな」と言う印象だった。二輪誌を始め採り上げるメディアの論調は「二輪のシーラカンス」的に言うけれど、ならばつい最近まで日本で新車として入手可能だった旧型車は「二輪の地球誕生」ではなかろうか。
ま、「シーラカンス云々」の表現は、もちろん今現在「日本」において「適法」で、しかも新車で手に入る二輪車というクレジットが付くのだろうが・・・。
オイルが漏れても白煙を吐いても、時々故障しても旧型車が持っていた魅力は、例えばプライマリチェーンが「ヒュンヒュン」回る音一つとってもこの新型車には無いし、フロントのディスクブレーキに至っては、いかにも取って付けた様で感心できない。また極太・長過ぎの不様なキャブトンタイプマフラーから吐き出される音も、まぁ音量は仕方ないが、湿った英国車の音を期待すると、あっけなく裏切られる。後ろを向いていたら、なんのバイクだか判らない程、個性の無い音なのだ。
事実、周回する試乗車が前を通る度に自分が思ったのは「うるさいバイクだ」だ。
要は、「ロイヤル・エンフィールドでなければならない」最大の理由が「薄れてしまった」乃至は「無くなってしまった」と言うことだろうか。裏返せば、そう思い、旧型車を愛する者の市場が、メーカーに新型車開発・移行を思い留まらせるには、あまりにも小さかったと言うことなのだろうが・・・。
ただし、今日の展示試乗会に来ていたお客さんの大方の人達は、国産車には無いエキゾチックな味わいの中にクラシカルでノスタルジックな外観が目立つ「外車」に乗れて満足し、楽しめたのでは無いだろうか。
どちらかと言えばネガティブな事をつらつら書いたが、だが、こうした貴重なイベントを開催し、また焼きそば・飲み物をご馳走して頂いたディーラーやスタッフの皆さんには感謝している。特にWFさんには、未だに惰眠を貪っている我がBULLET 350の車検をよろそろお願いしなくてはならないし!
ずらりと並んだ展示車両。細かい仕様の違いあり。ま、見た目は確かに「クラシカル」で「ノスタルジック」なのだろう。
インドでは不可欠なのかも知れないが、不必要とも思える大きさの「頭でっかち」なシリンダーヘッド(フィン)。何となくツインカムヘッドに見せかける様な「スケベ心」が見え隠れする哀しいロッカーカバー。無粋な共振止め・防音ラバー。今となってはこれもチグハグなのだが、立派なコーションプレートは唯一気に入った。
こんな感じで揃って周回試乗。何か頑張っててペース速し。低速走行音を楽しむ感じでは無かったみたい。
デザート仕様に塗られたアーミータイプのケツに着いていたツールケースは可愛かった。