昨日オイル交換をしたメグロS3。今日は少し磨いてみた。磨き終えて改めて各部を眺めてみた。
昨日に較べやや輝きが増した気もしないではない前期型のS3。後期型S3との外観上の違いはリアショック(プランジャータイプ)のケースが前傾していること、前輪が19インチであること等。メグロS3は、一車種で2万台以上販売された「超ベストセラー」車だ。
特徴的なエンジン・ミッション部分を右側から見る。ヘッドカバーの「メグロ」の刻印はS8まで変わらない。タイミングギアケースカバー(一応『Y字』か)の刻印は、S5からこれもカタカナの「メグロ」に変わったが、S3までは『目黒製作所』のイニシャルである「MW(メグロ・ワークス)」マークだ。排気量・形状は異なれど、このエンジン+ミッションのレイアウト(英国車等の『文法』通り?)はカワサキW3まで継承された。
円筒形の6V直流発電機(ダイナモ)。この発電機や点火装置(次の写真)が独立した補器類としてエンジンの外部に結合されるため、それらをエンジン右側面に配されたタイミングギアで同調させている。
点火はこの「マグネトー(奥の四角い箱)」で行う。故に、バッテリーが空でもエンジンは掛かる寸法だ。
真横から見ると(左右共)ボリューム感タップリだが、前方からの眺めは拍子抜けする程「薄っぺら」い。単気筒250㏄であることが実感できる。
年季の入った左側タンクエンブレム。七宝焼きの手が込んだモノ。中央の菱形二つに羽が生えたデザインにも見えるが、MとWを重ねた「メグロ・ワークス」であり、目黒製作所の社章である。
「目黒式ロータリーミッション」で一躍有名になった変速機メーカーの目黒製作所が初めて作った二輪車、1937年の初号車『Z97號(皇紀2597年の意)』のタンクには、既にこのデザインのタンクマークが転写されており、本田技研の「ウイングマーク」より遥か以前から用いられていた事になる。
「メグロ」の文字が入ったタンクニーグリップラバー。オリジナルがクタクタになっていたので、これは予備に持っていたSG用をポン付けした。250㏄では、S5、S7を除き、S8及びその後の「カワサキ250メグロSG」型に至るまで用いられた。